ハナヂ
季節の割りには少し蒸した日だったせいかしら。昼下りの喫茶店で女友達と珈琲を飲みながら取り立てて意味の無いおしゃべりをしていたときだった。なんだか、鼻の奥がむずむずするなあと思っていたら、つーと鼻血が垂れてきた。女友達は「あれ、はなぢ」といってすぅと僕に顔を近づけて、その赤くてぷっくりとした舌でぺろりと鼻腔から垂れ落ちる血をなめとって「ふふ」と微笑った。
2003/02/15Sat(No.034)

 

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