幽霊
「すると何かい、君は幽霊を未だに信じているというのかい? 全く非科学的なこと甚だしいねぇ。今は科学万能の時代だよ。自動車や飛行機、電話にテレヴィジョンの時代だ。全ての出来事は科学的に説明出来るし、出来なきゃならん。そういう時代なのだよ。今時、幽霊を信じているなんぞ、まったく生きる骨董品といわれても仕方がない。いやはや、ホントウに前時代的な人間だよ。君は。」

「何だと云うのだ。つまり君は僕の存在が即ち幽霊の実在の証拠だと言うのかい? エッ、足下を見てみろだって?」

自分の足下を見ると不思議な事に足が無かった。

1999/09/24 Fri (No.012)

 

戻る

 

inserted by FC2 system