親友 |
私の知り合いから聞いた話。 その知り合い、S君には二人の友人が居る。一人はT子という眼の見えぬ女性。もう一人はM代という女性、こちらは喋ることが出来ぬのだという。M代は喋れぬ変わりに小さな黒板とチョークを持ち歩いており、筆談でS君とお喋りするらしい。 ところで、この眼の見えぬT子と、喋れる事の出来ぬM代は大の親友らしい。私は、この二人はどうやって話をするのか? とS君に聞いたところ、 「M代が黒板に書いた内容を僕がT子に喋って聞かすんです。だから、二人が会うときは僕がついて通訳してやらないと駄目なんで大変なんですよ。二人ともお喋りだし。」 というS君は何だか嬉しそうな表情をしているのである。 |
1999/07/20 Tue (No.005) |